
Patrick Cowley ft. Sylvester / Do Ya Wanna Funk
近未来シンセが躍動する、Hi-NRG革命の金字塔的サウンド
Patrick Cowleyが遺したElectronic Discoの最高傑作
1982年、ダンスミュージックの歴史を語るうえで決してハズすことのできない名曲が誕生しました。Electronic Disco、そして後にHi-NRGと呼ばれるスタイルを決定づけたプロデューサーPatrick Cowleyによる傑作 Do Ya Wanna Funk です。US盤オリジナル12インチは、Megatone Recordsからリリースされた当時のクラブシーンの熱気をそのまま封じ込めた1枚でPatrick Cowleyの晩年の作品であり、彼のキャリアの集大成とも言われる重要作です。
未来を先取りしたシンセサウンドと圧倒的なグルーヴ
聴いた瞬間、鋭く刻まれるタイトな4つ打ちのビートと、脈打つようなシンセ・ベースがフロアを支配します。その上に重ねられるのは、煌めくシーケンサーのループと火花のように弾ける電子音…Patrick Cowleyのシンセサイザー・ワークは、単なる装飾ではなく、音のレイヤーを幾重にも積み上げながらダンスフロアの空間そのものを構築していくような立体感を持っています。今日のエレクトロニック・ダンスミュージックでは当たり前となったサウンド・デザインの原型が、すでにこの時点で完成されているコトに驚かされます。
Sylvesterの歌声が吹き込む人間的な熱量
そして、この楽曲のもう1人の主役が、盟友Sylvesterの圧倒的なヴォーカルです。情熱的で官能的なファルセットは、Patrick Cowleyの冷徹で精密なシンセサウンドと鮮やかなコントラストを描きながら、楽曲に人間的な熱を注ぎ込みます。特にサビで歌われる「Do you wanna funk with me?」というフレーズは、シンプルでありながら抗いがたい魅力を持つフックになっていてダンスフロアでそのフレーズが響いた瞬間、フロアの空気がイッキに高揚していく様子が目に浮かびますね。中盤のブレイクでは、スペーシーなシンセの広がりと、縦横無尽に駆け巡るキーボード・ソロが展開されます。宇宙的とも言えるサウンドスケープは、Patrick CowleyがElectronic Discoの先駆者と呼ばれる理由を雄弁に物語っていますね。彼のサウンドは単なるダンスミュージックではなく、未来の音楽の可能性そのものだったのです。
Hi-NRGの歴史に刻まれた不朽のクラシック
リリース当時、この曲はBillboard Danceチャートでもヒットを記録し、N.Y.やL.A.のクラブを中心にDJ達がこぞってプレイしたクラブアンセムとなりました。Patrick Cowleyはこの曲のリリース直後、AIDSの合併症により32歳という若さでこの世を去りますが、Do Ya Wanna Funk は彼の音楽的遺産として今なお世界中のDJに愛され続けています。情熱的なヴォーカル、未来的なシンセサウンド、そして抗いがたいダンスグルーヴ…これらすべてが奇跡のバランスで結晶化したこの12インチは、Hi-NRG、Disco、Electronic Dance Musicの歴史を語る上で欠かすコトのできない1枚です。針を落とせば、1982年のクラブフロアの熱狂がそのまま蘇る…まさにダンスミュージック史に刻まれた不朽のクラシックと言えるでしょう。

